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向林(写真左)。向井(写真右)。

 

お笑い芸人に憧れていた。ひたすらに格好いいと思った。流行りの俳優もモデルも芸人の前ではただの人間に見えた。

 

大学に入ったらお笑いサークルに入るつもりでいた。

 

2016年4月。横浜国立大学入学。

どうやら横国にはちゃんとしたお笑いサークルはないらしい。

なんでやねん。つっこみでもなんでもなくただ単になんでやねん。

 

4年間、足踏みの刑。

 

学校に通っていても休日に遊ぶような友達はできなかった。

周りからポジティブだと受け取られる時がある。成績が悪いのに、それでいて平気な顔をしているからだ。ポジティブではない。ただ必死なだけだ。「大学つまらない問題」に対して必死だったから、どうでもよかった。周りは楽しそうにしている。手に入れている人の顔。なおさら必死になる。

 

いくら学生の本分が学業だろうが、そんな使い古された言葉はカビ臭くてたまらん。そんなことをいう人間はきっとTENGAを洗って使いまわすに違いない。え、しらんの?TENGAって洗ったら何回でも使えんだぜ?とか言いながら。

ボクはただ大学を楽しみたかった。それがすべてだった。

昔の友達と会う。帰りしなに痛む表情筋。しばらく笑っていなかったことを思い出す。大学で笑うには少し努力が必要だった。

 

結果、3年間くすぶる。

 

気づけば大学の代わりにコンビニに通っていた。タバコがなくなったら時間を問わず即購入。ニコチン中毒者。向井さんはそん時よく顔を合わせていた店員。こっそりむかいっちと呼んでいた店員。

恋愛が原因でバイトをやめた。いつもよりタバコがうまい。午前3時までタバコを吸い続けた。HOPEが切れたからコンビニに行った。この時間は向井さんしかいない。なんとなくここで働いてみようと思った。どこでもよかった。

向井さんに連絡先を渡した。

夜勤でバイトのシフトを出すと早速向井さんとかぶった。

普段何してるか聞かれたから漫才のネタを作ってると答えた。

普段不愛想な向井さんは意外な反応を見せた。表情筋の痛みそうな笑顔を見せていた。

 

一緒一緒。

 

その日はやはりタバコがうまかった。

 

杞憂ならいくらでもある。ライブで糞みたいにスベって死にたくなるほど傷つくかもしれないし、誰かに馬鹿にされることもきっと増える。ただ少なくとも今言えることは、ボクはやりたいことをやっている。

 

大学に入ってからの思い出はあまりないが、今ははっきりとした時間の感覚がある。

昨日物心がついた4歳児のように。

 

ボクたちはようやくはじまった。

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